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February 15, 2005

SHAKESPHERE R&J@PARCO劇場

出演 首藤康之 佐藤隆太 小林高鹿 浦井健治

前にも書きましたが最近妙に異業種格闘技(←ちょっと違うんじゃ…)好きで…古くは萬斎氏、染さん、最近では勘太郎くん、小林十市さん。どれも期待にたがわなかった流れで、首藤康之氏が舞台に出る、と言うことで迷いなく観にいくことにしてみました。とは言え、首藤さんのバレエは観たことないんですけどね(^^;)。

板敷きの床に響く足音から始まった舞台。恐らく規則も厳しいであろう全寮制の高校…息が詰まりそうながんじがらめの生活の中、仲間が懺悔をする中でひとり恋文を考える青年@首藤さん。授業が終わり、部屋に戻って彼が取り出した一冊の本はロミオとジュリエット。まあ、今どきではなんてことない内容なんでしょうがたぶんこの時代(いつかわからないけど)、この環境ではなかなか刺激的な本だったんでしょうね。男子生徒四人が時に奪い合うように代わる代わる声に出して読んでみるうちにだんだん物語の世界の中に入ってきて、劇中劇のような形になっていくのです。

要は男子生徒4人によって演じられるロミオとジュリエット。恐らく設定上、上手く演じすぎては可笑しいのだと思うし、特に後半のややぎごちない台詞回しはそう言う演出なんだと思ったのだけど違うかなあ?飽くまで、「男子学生が男子学生の部分を残しつつ演じる」のが眼目なのでは…当然役者ではなく、演劇部など役者志望の集団でもない。最初はちょっとした退屈しのぎにやっていたのだけど、物語に思ったよりも引き込まれてしまった、という感じ。特に後半、もっと上手く出来そうなところを合えて一本調子にしているように思えたのはそう言う設定だからこそのわざと、だと思ったのですが。
役者さんのイメージ的にも例えば、線の細い浦井くんあたりがジュリエットを演じればぴったりだと思うものの、そこをあえて長身でこの中では一番男っぽい佐藤君にしたことで「素人の偶然始めた演劇めいたもの」という感じとちょっとした違和感を出したかったのかなあ、とかってに解釈してたんですが…どうなんだろ?そう言うねらいとしてみたら成功していたように思うのですが。
普通の学校生活の中での言葉のやりとりはほとんど出てこなくって、ほんのわずかな授業を思わせる台詞と、最後の方のほんの一瞬を除けば「ロミオとジュリエット」の戯曲だけで場面をつないでいくの。小道具がなかなか斬新…命のやりとりをする場面は象徴的な赤い布。ロミオとジュリエットの愛の場面でいくつものろうそく…場面の終わりでそれを吹き消しながら役者さんが片付けるのが面白かったし、印象的でした。

考えてみればこのうち4人とも舞台を見るのは初めて。予備知識が会ったのは首藤くんと浦井くんだけど、今回は普段持っているイメージとは違う役回り。首藤さん、初舞台としてはなかなか健闘していたと思います(^^)が、激しい感情を表現する部分では台詞がちょっときつかったかな。そもそも初舞台に台詞がむちゃくちゃ多いシェークスピアをベースの演劇とは何たるチャレンジャー(笑)。これからも舞台に挑戦してみて欲しいけど、こういう台詞劇ではなく間や仕草での感情表現がもう少し多い演目の方がバレエの経験を生かせるのではないかなあ?台詞を数多くこなせる役者さんなら他にもいっぱいいるけど、身のこなし、とか沈黙での感情表現がうまい役者さんって貴重だと思うし。 浦井くんの意外にコミカルな一面を垣間見せた乳母役とか、佐藤隆太くんの見た目とのアンバランスさが可笑しいジュリエットとかも楽しかったけど、個人的に今回のひろいもの(←失礼)は小林高鹿さんの飄々とした端整さ…演技も、そしてたたずまいも。こんどキャラメルの細見君との共演で、しかも個人的に好きな限られた空間の中でのコメディタッチの作品をやるそうで、先の楽しみが増えました(^^) 

若いゆえの固さなのか、演出なのかわからないけれどちょっと台詞をおうのに役者さんも観ているこちらも一杯一杯になっちゃった感じもあり。いわゆる「巧い」役者さんたちを揃えればまた違う味わいになったのかもしれないけれど、それだときっと学生っぽくは見えなくなってしまうだろうとも思う。個人的には結構満足。

しかし、この間の蜷川版ではそこまで感じなかったけれど、今回ひときわ強烈に感じたのはティボルトが死んでロミオが追放と聞いたときのジュリエットの台詞。「ロミオが追放になるくらいなら、1000人のティボルトが死ぬかお父様かお母様が死ぬ方がまし云々」…一番言いたいことが言える乳母の前だからとはいえ、なかなかここまで剥き出しのセリフっていえないよねえ(^^;)

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