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February 24, 2005

再演ショック@TRUTH

演劇集団キャラメルボックス「TRUTH」再演初見。

お芝居自体の感想を書く前にこの辺で吐き出しておこうかと。えーっとこれは実質私が観たはじめての再演、というものになるわけですね。今まで色々な方々がいわゆる「再演ブルー」にかかっているのを目撃していまして、それも「芝居は楽しかったのだが、どーしても初演が」という意見が多く、理解出来るような、理解できないような気がしていたわけですが。何か今回TRUTHを観てそれがちょっとわかった気がしています。
いや、芝居としての質が落ちた、とかそういうんじゃないのよ、たぶん。
完全な想像ではありますが、成井さんの作 演出というのは、おそらく素材、つまり物語と人物の設定と台詞を役者に投げて、その役をどう演じるか、というのは役者本人にある程度任せているのではないかなあ?と思ったりする。
(新人くんとかは別ですが)。その結果、同じ言葉をしゃべっていても役者の個性や解釈に合わせて別の人になってしまう、という現象が起こるのではないかしら?これはたとえばダブルキャストでやると非常に色が出て面白いし、所縁の役者さんの解釈や組み合わせによっては好きでなかった作品が菜園で見ると結構好みだったり、理解できたり、ということもあると思う。ただ、初演の特定の役に愛着があったりするとやっぱりハレーションが起こるのね、というのを今回とっても理解できちゃったのだわ。
(各論になりますので、悪口を書いているつもりではないのですが、気分を害する人がいる可能性がありますのでこの下は各自の責任において読んでください。そもそもあたしの勝手な思い込みかもしれないし。)

その意味では畑中くんの三郎太は初演とイメージ上のブレがなかったのですんなり見られたし、あと役自体に思い入れがない役(虎太郎とかふじとか帆平先生とか)はむしろたぶん製作の狙い通り(?)違う人が演じることで解釈の違いが楽しい感じだった。
あと、えりーちゃんの初音はまあ、ある意味今まで彼女が演じてきた役で想像したとおりだったので…。岡田さつきさんの初音、はとても好きだったのだけど 初音さん自体が好き、というわけではないのでこれも意外とすんなり。まあ、女だてら剣を持つ人にはいまひとつ見えないんだけどね(^^;)で、この「剣」&「仕事持ち」と言うのは初音さんを語る上でかなり大切な部分だと思うのでそれを感じさせなくていいのか、と言うのもあったりはするんですけれど(苦笑)

でね、やっぱりちょっと違和感が否めないのが美緒と隼助。

剣術道場主の妹として、幼いころから門弟たちの中で育った美緒。 初演の亮子ちゃんの美緒のイメージは、あんまり口数多くなく、何となくちょっと離れたところで、でもいつも門弟たちが集まって騒いだり稽古したりするのを気がつけば見ていた女の子。いつしかその一人を慕うようになっていっても、年上の美しい従姉妹と相思相愛だというのを知っていて自分の思いはずっと心の奥にしまっていた…このままずっとしまっておくつもりだった。でも、相手が窮地に陥って思いがけず一緒に逃げる羽目に…最後の最後に押さえていた思いが、と言うイメージ。

岡内さんの美緒はもうちょっと甘えんぼう。妹を目に入れても痛くない兄と優しい年上のお兄さんたち。
昔っからよく手を引っ張っては誰からともなく遊んでもらっていた。なかでも大好きなのが弦次郎さま 大きくなったらお嫁さんになる、くらいのことは思っている。大きくなって従姉妹と相愛だとわかってからはさすがにあきらめようかなあ、とは思いつつ…かなり能動的。

もうね、どっちが悪いとかうまいとかじゃなくて解釈の違い、雰囲気の違いなのだと思うのよ。ただ、私は初演の
美緒がキャラクターが好きだったので、「違う女の子」である今回の美緒にはあんまり感情移入できなかったんだなあ。

さらに隼助。
まあ、あんまり偏見から入りたくなくてしばらく初演のビデオを見てないのですが中心となる上田藩の六人、初演のイメージからすると私の中では二人ずつに分類されていました。まず弦次郎と英之助…いわゆるお日様タイプ。自分に自信があって、周囲からも中心としてたてられる…さらに自分としてもリーダーの自負を持っている(弦次郎には学問で劣っても英之助には家格と剣があるからね。)。彼らが前向きになれるのは前に進んでいく道が見えているから。
虎太郎と三郎太はリーダータイプではないんだけど、今のところは自分の世界に満足できているからその意味では悩まないタイプ。三郎太は年齢もあるんだろうけど、今は怒りは周囲に行っていてあんまり自分のことを客観的に悩んだり迷ったりしなさそう(初演で菅野さんが三郎太に対して「お前の頭は筋肉かよ」と思ったというのがあったけど言いえて妙かと。)だし、虎太郎は今の自分にそこそこ満足し自分の居場所をと立場を大事に生きていくタイプ(この年にして地に足が着いているというんでしょうか。)
反して、あくまで初演の印象なんだけど鏡吾と隼助は自分に対して迷いや飽き足らないところがあってあがいているタイプに見えました。鏡吾は当然、それが物語の核につながっていくし伏線も張ってあるので割愛するけど、隼助だってけっこう辛かったんじゃないだろうか。剣は圧倒的に弱く、学問とて弦次郎のように人に認められるほどではないし、…こういう人はけっこう自分の居場所を見つけるのが大変だ。たとえば、初音のことが好きになったとして弦次郎と英之助、というのはお互いへの遠慮を抜きにすれば告白できると思うし残りの二人は告白することすら考えないだろうと(まあ、三郎他の場合弟だから無理だけど)。ただ同じ告白しないにしても鏡吾や隼助は「告白できない自分の状況」っていうのを新たに考えてかみ締めちゃうようなそんなイメージ。
で、隼助さんとしては確かに鉄砲は好きなんだけど「みんなに認めてもらいたい」という気持ちも強かったと思うのね。それが、思いもかけない事故につながってしまって隼助さんとしてはもっともっと自分を責めたんじゃないか…とそう像は勝手に勝手に広がっていくわけで。事故の後でみんなの集まりに呼び出されて、でもすぐに入れなくてたたずむ隼助さんが大好きでした。
何がいいたいか、というとただのいい人じゃなくて、悩み転び葛藤しながら、だからこそ自分の目で真実を見つけていく隼助さんが好きだったんですよ。考えてみれば芝居の中でも散々みんなにひどいこと(最初のうちこそ愛情まじりだけど)言われて、自分としての見せ場で事故は起こっちゃうわ、その事故がきっかけになってさらにいろいろ起こっちゃうわ、この人だって抱えていくものはものすごく重いのに 「お前も生きろ!」とも「真の友だ!」とも言って貰えないかわいそうな隼助さん(涙笑)。

というようなはた迷惑な思い入れを持ってみてしまうとですね、細見さんの隼助さんはあまりに伸びやかでいいひと過ぎちゃうんだなあ。(別に菅野さんの隼助が悪人だといっているわけではないー笑) 終演後にパンフレットの自分の役にたいするメッセージを読んで何となくわかった気になってるんだけど、何となく今回虎太郎とちょっとキャラがかぶっている気がしたりして。さらに何だかキャラメル時代劇の当たり役である「☆×助さん」とどうもイメージがかぶっちゃうんだなあ。うーむ。

まあ、所詮は初演に対する勝手な思い込みのなせる業なんですけれど。さて、ぐだぐだ吐き出したのでこれからは前向きに見たいと思います。

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