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June 18, 2005

雨と夢のあとに@最終回

最初はやっぱり成井さんと真柴さんだしなあ…西川さん出るしなあ、位の感じで見始めたんですが結局久々に毎回観ちゃいました。簡単に今までのあらすじ。

娘と二人暮らしのジャズミュージシャン朝晴は趣味の蝶の採集で台湾に行ったところ足を踏み外して墜落死しちゃうわけです。でも気がついたら家に帰っていて…。娘を思う気持ちが強いあまりに魂だけ日本に戻って来ちゃった訳ですね。で、この幽霊の朝晴、娘の雨の目には生前と同じように見えるのですが、他の人には見えたり見えなかったり。朝晴のことが見える隣室の女性 暁子にいろいろ助けられ、親子二人の生活は続いていくのですが、幽霊と一緒に暮らしているせいか雨にも成仏していない霊が見えるようになり、様々な事件に巻き込まれます。あるきっかけから幽霊と暮らすことは生きている人間の生命力を奪うことになると知った朝晴は娘のために、全てを話して消える決心をする…と言う展開。で、今回が最終回。

しかし、キャラメルボックスを知っている方ならわかるとおり、幽霊、親子愛、などキャラメルテイスト満載のコンセプト、しかも11時過ぎからの放映なのにキャラ倫(笑)に引っかかりそうなお色気シーンほぼなし(それでもあの二人にしては思い切った台詞はあったりしましたが)。放映前は、刺激的な作品が多い昨今のテレビドラマの中で果たして視聴者に受け入れられるんだろうか?などと要らない心配したりもしましたが、終わってみたらば結局杞憂でした。

原作は読んでいなかったのですが、最終的な結末つまり「朝晴は少なくとも雨の前から消える」ということだけはわかっていました。だって、成井さんオリジナルの「カレッジ オブ ザ ウィンド」や「クローズ ユア アイズ」のあの終わらせ方を観ても成井さんが何らかの展開で安易に「奇跡が起こって結局二人は幸せに暮らしました」という落ちにだけはしないだろう、と言うのはわかったていたからです。別れは別れとして受け止めて、それでも残された人が前向きに生きていけるような方向性、と言うのが成井さんや真柴さんにとっての理想の形なんだと思うから。
ただその別れをどうやって描くか。雨と朝晴の別れだけでなくて、朝晴が雨にだけ見えてるわけじゃない以上、彼らを大切に思いかかわってきた人たちとの別れも描かれなければならないし、雨がこれから生きていく以上未来に続く流れにしなければいけないということ。一時間で大丈夫かなあ?いい流れできてるけど最後でこけると全体が…すみません、別に今回のことに限らず妙に悲観的なところがあってね(汗)…といろいろ心配しましたが、いい最終回でしたね。それぞれの別れがそれぞれらしくきっちり描かれていて、最後の大きな別れにつながって行って。もちろんいわゆるハッピーエンドではないのだけれどいい後味…この月日がちゃんとふたりにも、周りの人たちにとって意味があったんだな、と思えた。

一番個人的にやられたのは霧子さんかもしれない。この人、朝晴の兄貴分の奥さんでかなり朝晴に近いひとなんだけど見えないんですよね。だんなにも、息子にも見えるのに自分だけ見えない。それでも朝晴の存在を信じるようになって、力になる。見えてて、表情がわかったり声が聞こえてて助けてあげよう、と思うのよりもずっと大変なことだと思うんですよ。それがもうこれでお別れだ、ってわかって朝晴に「もっと上を目指せたのに音楽よりも雨をとった彼を許せなかったけれど、今は…」のようなことを告げて…最初はダンナを通して話していたのに、いつの間にか直接会話している…だんなに指摘されて見上げるとそれまで見えなかった朝晴が見えるのね。この、言葉を交わしていて会話がふとつながっていく様子がさりげなくて素敵でした。霧子さんに思い入れを感じるのは、私、たぶん自分も見えないタイプだと思うんだよね。たぶん周りが見えているのに見えなくてちょっと疎外感感じそうな気がする(^^;)…。
             
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み終わってあらためて、いいドラマだったな、と。ある意味地味な役者さん陣で、連続ドラマの主役を張ったことがある人なんてゲストの上川氏と高橋由美子くらいでは(^^;)。そこがまた新鮮で、いいコンビネーションだったんだけど。(個人的には速見もこみちくんを見直した。)

成井さんと真柴さんが原作ものに力を発揮するのはご本人たちも本が好きで、脚本にするのは思い入れがある原作だけで…何だか本当に正面から原作と向き合っている感じがする。あと、今回のオムニバス形式は彼らの持ち味がよくでているなあ、と。私がキャラメルの舞台が好きなひとつの理由は、主役がいてもたぶんに群像劇的なところがあるからだと思うのだけれど、それでも時々、二時間の舞台の中にそれは詰め込みすぎだろう、と思うことがある。今回、連続ドラマという場を得て思う存分人物の描き方に時間をかけられた、と言うことではないかしら。

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