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March 02, 2006

賢治島探検記

個人的に、キャラメルのいわゆる再演にはやはりちょっと抵抗があったりもするのですがダブルキャストはむしろ結構好きだったりします。それも、かなりメンバーを入れ替えたりもしくはほとんどのキャストがダブらない形でのダブルキャスト。再演はどうしても前と主要キャストがかぶるし、前の舞台を追いかけようとする感じが演じているほうも観ている方も強いけど、ダブルキャストはそれぞれの色をだそうとして、うまくいくと同じ脚本なのに違う印象の舞台が見られるからかな。

さてさて、長い前置きになりましたが今回の賢治島、再演というよりもダブルキャストのような、その意味での良さが出た舞台になっていました。それは演目の約半分を入れ替えたせいかもしれないし、メンバーのほとんどを入れ替えたからかもしれません。実際に観たのは22日夜。

多田くん、阿部くん、あんりちゃんの3人が前説。ついこの間新人だったと思ってたのにいつの間にかもう三年目。劇場の中では後ろの方の席なのに、舞台との距離が近い近い。この間行ったシアターサンモールよりも小さいのね。

懐かしいテーマにのって本編が始まる。教授が坂口さん…前の篠田さんの教授がレトロな名物教授風なら、坂口さんは熱血女性助教授風(民放の討論番組とか出そうだー笑)。西川さんがやったらまた違う味になるかもしれない。助手が三浦君で以前の菅野さんがやった役が畑中くん。菅野さんがひとこと多いいじめられっ子タイプなら、畑中くんは今どきのちょっとクールな現代っ子タイプ、これまたイメージが違って面白い。「単独行動の~」というより、集団の中にいつつ群れないタイプ、みたいな。

第一話「雪渡り 鈴鳴らし」
幼い兄弟と子ギツネたちとの交流の物語。

もうとにかく、ひさしぶりの伊藤ひろみさんと石川さんがかわいい~。私生活はお二人ともお母さんな訳ですが、佇まいがちゃんと子ども。しかも、ちょっと昔のやや生真面目な子どものイメージ。そう、絣の着物とか綿入れとか着てそうな。坂口さんの子ギツネもちょっと照れた感じが可愛らしかったなあ。前回の「貝の火」もそうだけど、こういう子供の頃には読んでいなかった宮沢賢治を知ることが出来るのもこのシリーズのよいところだなあ。子供の頃読んだときには印象に残ってなかっただけなのかもしれないけれど。

第二話「注文の厳しい料理店」
二人の狩人が道に迷ったあげくに見つけたレストラン。しかし、食べ物にありつく前に店側から様々な注文が。

個人的には今まで、宮沢賢治といえばこれだった。小さい時に呼んで、おかしい中にひたひたと怖い感じが忘れられない。絵本で呼んだんじゃないかと思うんだけど、確か絵も恐かったのよねえ。舞台はそのイメージに比べるとかなり笑いの方が勝ってたかなあ。確か原作はクリーム→塩の順だった気がするんだけど、舞台では粉。いや、演出効果では面白いけど、さすがに粉だったら気がつくだろう(笑) とはいえ岡内さんとアンリちゃんの影の声がキュートで、狩人の阿部くんと左東くん、面白いペアではありました。

第三話「セロ弾きのゴーシュ、またはゴーシュ弾かれのセロ」
セロ弾きのゴーシュはオーケストラの足を引っ張るお荷物状態。毎日一生懸命練習していると様々な動物がやってきて…

まさかあの坂口さんのセロ役がまた観られるとはっ!というだけで結構大感激でした。綾ちゃんのゴーシュのあの勢いでなぎ倒す感じ(笑)が大好きだったのですが、三浦君の方が原作のイメージには近いかな。
伊藤さんのキツネも、石川さんのカッコーも、畑中くんと筒井くんのネズミの親子も、初演とイメージがちょっとずつ違うのがかえって違和感なくしあがったと思います。全般的に初演の方が濃い感じ。あ、でもそれは全編通してそうかも…まあこのサイズの劇場であのテンションでやったらそれはそれで濃すぎるのかも知れませんが(笑)
ゲストの子だぬきは清水一雄さんと糸賀徹さん。ラップのリズムに乗せて
Q「猫は?」
A「ニャー」
Q[たぬきは?」
A「ぽん」
Q「犬は?」
A「ワン」
みたいなのを交互に言っていく、というようなゲーム?を舞台と観客を巻き込んでやってらっしゃいました。役が決まってるし簡単そうなんだけど、リズムに気をとられるから結構難しかったです。糸賀さん、自分が掛け声役なのに自分が間違えてるし(笑) 以外と役者さんより、普段ライブでアドリブに慣れているミュージシャンの方がこういうの得意なのかもしれないですね。けっこう素で楽しそうに見えました。見てるほうも変な期待しないしね(笑)

第四話「無口な風の又三郎」
ちょっと舞台の奥行きがない分、のびのびとした感じが出ないのがさびしい感じがしましたが…。多田くんが又三郎を好演。最後の風が吹くところもいいけれど、川遊びのシーン、好きなんですよ。不思議な少年、又三郎が一番子どもらしい瞬間。

第五話「光速銀河鉄道の夜」
初演のジョバンニの菅野さんがよかったこともあり、もともと菅野さん好きでもあり、実は結構観るまで自分の中で受け入れられるか不安だったんですけれど、予想以上によかったです、畑中くんのジョバンニ。菅野さんのジョバンニが健気で、頼りなげで、いかにもいじめられっ子で、この鉄道の旅を通して大人になっていくイメージなら、畑中くんのジョバンニは折れない芯を持っていて、周囲に迎合しないがゆえに孤立して、哀しみを内に秘める少年のイメージ。いじめられても決して人前では泣いたりしなさそう。何となく、「銀河鉄道999」の鉄郎ともだぶる感じかな。あ、いいかも…作って欲しいかも…畑中くん主役でキャラメル版の「999」みたいな少年の成長譚。
あとは石川さんの役変わりが達者で面白かったなあ。ザネリの阿部くん、面白かったんだけどこれからずっとネタ路線で行くのかなあ?筒井くんが最近少し緩急の使い分けができるようになってきた感じなので阿部くんも次はちょっと違う路線で見てみたいなあ。

最後のエピローグでちらっと松坂くんの姿が観られて嬉しかったです。彼といい、石原くんといい、武者修行に出て長くなりますが(苦笑)志士あたりで戻ってきて欲しいなあ。今年当たり化けて欲しいんだけど。

最後に一つだけ辛口(読まなくていいです。)
実は今回、「料理店」以外の岡内さんが個人的にはダメでした。
「ゴーシュ」の楽長は前回の青ちひのイメージが強すぎるのかもしれないけれど、どうしても今回は優等生が無理やりへんな演技をしている、という風にしか見えず、カンパネルラも初演のエリーのしんと、叙情的な演技が印象的過ぎて、畑中くんと友達という感じがどうもしなかった。
まあ、結局は「クロノス」の来美子さんがとてもよかったので、私の中でそれを消化しきっていないのかもしれません。彼女にとってどうしても出たい公演だったと思うんだけど、今回は見送ってもよかったんじゃないかなあ。
まあ、両方とも岡内さんにとって苦手なタイプの役立ったと思うので後々になって飛躍のきっかけにはなると思うのですが。

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