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April 01, 2006

推理小説

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ちょっと前までやっていたテレビドラマ、「アンフェア」の原作本。
ドラマで見てさえあんな入り組んだ話をいったいこの薄さでどうやってまとめたのか、と思ってたいたんですが。
「原作」というよりは、どっちかというと「ネタ本」という感じかな。登場人物と、エピソードの一部だけ借用した、というイメージ。

そもそも原作者としてはあのドラマでよかったのか、と思うくらい観終わって受ける印象が違うのだ。
これでもか、これでもかと謎が提起され、最後に犯人が登場するミステリーの形式にこだわり倒したドラマに対して、小説の方はある意味「謎解き」としての形態をなしていない。おそらく、『推理小説』という題名自体、一種のアイロニー、カテゴリーの分類としては難しいが長編小説でありながら、読んだ印象が短編小説に近い。中身がない、というわけではなくて、あえて物語の人間関係にふくらみをつくらず、一部の登場人物だけを浮き上がらせている感じ。
何よりも、極力ウェットな感傷を排除しようとしてかかれたかに見える小説に対し、ドラマのほうはクールでドライに見える雪平は、実はこんなにも繊細でウェットな人間でした、という点で視聴者の共感を得ようとする。
結末や犯人が変わってるのは、単に原作の設定だと話が持たないから、っていうのもあるんだろうけど雪平の弱い面を描いてしまった以上、もう少し救いを残さなければやりきれないからだと思う。

「原作にはまった人」からすれば、何だかだまされた気分だろうなあ、とも思ったりする。登場人物は本当にイメージどおりなんだけどね(まあ、ドラマ→原作の順だからかもしれない。)。あ、あと共通点だと思ったのが、とにかく犯行方法やアリバイなんぞ二の次、三の次でとにかく『動機』だけが大きくクローズアップされていること。ドラマに関しては、最後の犯人以外にも犯罪に手を染めているひとが何人も居るわけですが、それぞれについてもちゃんと動機が示されていた。ま、確かにひとりの犯人を描くならば乾いた感情や、アンフェアな動機ですんでも、何人もの人間の動機を重ね合わせると、必然的にウェットで感情的な方向になっていかざるを得ないのかも。

やっぱり個人的にはドラマの方が好きではあるんだけど、「アンフェア」ということに限って言えば原作の方が題名は違うのに「アンフェア」感は強いかも。

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