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October 17, 2006

エル ドラド@服部真澄(新潮文庫)

<あらすじ(Amazonより)>
食料の生産と流通を寡占し、世界的大産業に成長した「アグリビジネス」。彼らの次の狙いは新種のGMO(遺伝子組み換え作物)を駆使し、食料のみならず地球のあらゆる生態系を支配することだ―。アグリビジネスの陰謀を暴く原稿の一部を遺して消息を絶った、天才科学ジャーナリスト、レックス・ウォルシュ。翻訳家の蓮尾一生は、彼の足跡を追って南米ボリヴィアへ飛ぶ。

勝手な思い込みなのかもしれないけれど、服部真澄さんという人はとにかくもう、テーマありきの人だ、と思うのただ。正直なところ、人物造型に少々難があったり、いつも同時平行で華やかに展開していくストーリーの一部が消化不良に終わったりすることもあるのだけど、目新しいスケールの大きいテーマに惹かれてついつい読んでしまう。一作目が「香港返還」 二作目が「ハッキング」 三作目が「特許権」 四作目が「バカラ賭博」そして今回は「遺伝子組み換え」を中心としたアグリビジネス。

まあ、今回も私の読み方が浅いのか登場人物の設定や登場シーンはなかなか魅力的なのだけど、お互いの気持ちとか感情の流れとかがわかりづらく特に最後の主人公の行動はやっぱり唐突な感じが否めない。そうすると小説としては何だか残るものが薄くなっちゃうんだよね。ただ、やっぱりテーマはすごく興味深かった。どうも理系の話題は意識しないと食わず嫌いになってしまいがちで遺伝子組み換えというのも食品表示にあるのは観ていたものの、実際どういうものなのかよくわかっていなかったんだけど(最近、新聞や週刊誌をあんまり読んでいないこともある)。」で、この小説の中に挙げられた例に慄然としました。いや、こりゃまずいだろ…神の領域だろ…どこまで行くんだ人間…って。いや、確かに小説の中なのでどこまでがいわゆる事実でどこから創作なのか厳密にはわからないのだけど、ただ疎くなったとは言え最近のニュースの中に見え隠れする「進歩」の方向性からするとほとんど本当であってもおかしくない、と思わせるものがある。あるいは私が知らないだけでもっともっとすごいことになっているのかもしれないけれど(怖)…実際どうなのか近いうちに小説ではないもので何か読んで見たいと思ってます@遺伝子組み換え。同時に出てくるワインビジネスの話や、南米への農政干渉がらみの話も興味深かったなあ。

ある意味、ドラマ仕立てのドキュメンタリー、または新書として読める(読んだほうがいい?)感覚の本かも。

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